ナバホ族にステイ:コードトーカーの巻
ナバホの言葉は難解です。
その難解さ故、第二次世界大戦中のアメリカ軍ではナバホの人々がコードトーカー(部族語を駆使して指示を送る人)として活躍した。日本軍はとうとうこの暗号を解読することが出来ず敗戦に追い込まれたという話は有名ですよね。当時敵対した国の者同士、こうして今語り合っているのが不思議です。
「デジャナ」。
乗馬中、ポツリとつぶやくデロおじさん。
私 :「デジャナってどういう意味ですか?」
デロ:「緑と空と土のコントラストが美しい、という意味」
私 :「美しいという意味ですか?」
デロ:「単に美しいという言葉じゃないんだよ。ナバホ語はたくさんの意味を同時に持つ言葉なんだ。だから”デジャナ”と言えば、この一言に緑と空と土のコントラストが美しいという意味が全部含まれている。」
私 :「日本語と似てるかも…」
こうして、私もサムも滞在中にいくつかのナバホ語を教えてもらった。
意外だったのは「トモコの発音は非常にネイティブに近いね」とお褒めの言葉をいただいたこと。自慢ではありませんが、私は英語の発音さえママならず、人から褒められたことなどありません。ナバホ語に向いているとは!
10万人以上の母語話者を持つというナバホ語。
若い人は学校でナバホ語のクラスがあるらしいが、筆記は出来ても話せない人が増えて来ているらしい。中高年は逆に話せるが筆記が出来ないと言う現象に悩んでいるそうだ。また居留地から出て都会に暮らすナバホ族は英語が主言語となりナバホ語を忘れて行くそうだ。先住民の言葉としては最多の母語話者を持つナバホ語も絶滅の危機に瀕している。
ナバホの人はみな名前を3つ持っている。
一つは、英語名。かつて白人と交易する際、ナバホ名が難解過ぎて相手に通じず支障をきたし、各々英語名を作ったそうだ。
二つ目は、公のナバホ名。これは同族間で呼び合う名前。
三つ目は、秘密のナバホ名。これはかつて戦地に赴いて見事生きて帰った戦士に命名してもらう伝統的なナバホ名。このナバホ名はたとえ自分の家族と言えども明かしてはいけない秘密の名前なのです。この名前を使うのはたった一つの場面。シャーマンがその人の為に祈りを捧げる時に、名前を問うた時だけ、そっとシャーマンに明かすことができる。この秘密のナバホ名によってシャーマンは病気の治療法や未来進むべき道を指し示してくれるそうだ。
ナバホ語のハローは「Ya’at’eeh(ヤァッティ)」。
これ一つ覚えただけで随分場が和みました。
続く…